マナーとは何か？

■「マナー」ってなんだろう？[本当のマナー ～イギリス女王の話～]

マナーといえば、イギリスでのフィンガーボールにまつわる逸話が
有名です。ご存じない方のために少しご紹介しますと、

　昔、アフリカの王族がイギリスを訪れました。時の女王はこれを
歓迎し、宮殿の晩餐会に招きます。しかし、アフリカの王族たちは、
テーブルマナーなど分かりません。
　そのためテーブルに置かれたフィンガーボールを見ても指を洗う
ための水だとは考えずに飲み水だと思って飲んでしまったそうです。

　周りにいた人たちは驚きました。おそらく心の中であきれたり、
バカにした人もいたかもしれません。そして、女王が間違いを指摘
して、マナーを教えるのではないかと思っていました。

(皆さんなら、どうしますか？．．．．．)

　しかし、女王は彼らにテーブルマナーを教えませんでした。
　それどころかアフリカの王族たちと一緒になってフィンガーボール
の水を飲み出したのです。それは、アフリカの王族が恥をかかない
ようにという、女王の配慮でした。

この話はイギリス中に伝えられ、イギリスマナーの真骨頂とされて
います。

イギリス王室がらみで、マナーにまつわるお話をもうひとつ。
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■究極のマナーは「こんなことでいいの？」

これは、英国王室のウィリアム王子が、イギリスでは珍しく蒸し暑い
日のフォーマルなランチの場で、ジャケットを脱いだ話です。

　一般的な常識としては、フォーマルなシーンでは男性はジャケット
を着用することがファッションマナーとされています。
　しかし、ウィリアム王子はこの時、ジャケットを脱いでしまいました。
理由は一緒に食事をしている人たちがこの蒸し暑さに閉口しているのに、
ジャケットを脱いでは「無礼者」と思われることを懸念して我慢している
ことに気付いたからです。
　この場では、王室の一員であるウィリアム王子がフォーマルなシーンで
ジャケットを脱いでくれたことは、皆もジャケットを脱いでもよいのだよ、
という合図。その後、その場にいた紳士らは次々にジャケットを脱ぎました。

　彼らがウィリアム王子に感謝したことは言うまでもありません。

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　これらの逸話にもあるように、マナーとは、必ずしも「型どおりの
儀礼的作法（表面的な決まりごと）」ではなく、その本質は「相手を思い
やる気持ち」ということです。

■ビジネスパーソンの心得としてのマナー

　ビジネスといえども、当然ですが多くの場合、相手は「人」です。
そして人には感情があります。
　人の気持ちを察し、言われなくても相手が望むものを提供できれば、
相手は感激し、あなたは人から好かれ、人に受入れられ、仕事を依頼さ
れたり、任されたりするものです。

　「マナー力は人間力」であると言われます。ビジネスでは、相手と
信頼関係を築くことが非常に重要ですが、初対面であれば最低限、相手
から「感じのよい人ね」「なんだか信用できそうな人だな」というプラ
スの印象をもってもらうことも必要です。
　マナーの原点は日常のありとあらゆる場面で、その瞬間その瞬間に、
「相手の立場に立つ」ことであり、また「相手は今、どんなことを言わ
れたら嬉しいか、どんなことをされたら嬉しいかを、それらを察知し
思いやって実行していくこと」とまずは心得ましょう。

　そして、相手が何を望んでいるかがわかったら、自分の方から先に
発信・提供する。言われる前に自分から実践する。そうすると相手は
気分を良くし、好印象を抱きます。マナーの世界でも「先手必勝」が
鉄則であると言われています。
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■マナーワンポイントアドバイス

「今度、お客様との打合せをセッティングしたいのですが、
　こちらの都合のよい日時に会う方法はありませんか？」

　アドバイス；
　　自分から会う時間を提案するのはマナー違反ではありませんが、
　　相手にも都合があります。
　　「私の勝手で申し訳ございませんが、○日の○時でも大丈夫
　　　でしょうか？」
　　と自分の勝手を詫びた上で、相手に選択の余地を残す提案を
　　すれば大丈夫です。
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